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痛みはどの程度ですか?

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『FTを選択するのはいいけど、やはり痛みは気になる…』
卵管に問題がある場合、FTは大変有用な治療のひとつであることは言うまでもありません。しかし、FTを受けたいけれども、どんな治療なのか、それに伴う痛みがどの程度のものなのか分からないため、不安を感じ、FTを受けることをためらう方も多いと思います。FTを安心し、リラックスして受けていただき、一人でも多くの方が妊娠に近づける一歩を踏み出せることを願い、お話を進めていきます。
FTでは、どのような痛みが、どの程度あるのでしょうか。
一般的に、不妊検査の中で痛い検査と言われている子宮卵管造影検査の痛みは、ネット等でもいろいろと情報を得ることができるため、皆さんも何となく想像がつくかも知れません。

子宮卵管造影検査の痛みは、
 ・ひどい生理痛のような
 ・下腹が重いような
 ・下痢のときのような
 ・違和感程度
など、いろいろな言葉で表されています。

子宮卵管造影検査では、卵管の中に造影剤という液体を流すことにより、卵管の通りを確認します。粘調性のある造影剤を、圧をかけながら大変細い卵管の中に注入するため、痛みが発生します。
それでは、FTはどうなのでしょうか?
ところで、卵管はどの程度細いのでしょうか?
卵管の内腔は最も細いところで約1mmです。卵子は直径0.1mmの大きさですので、卵子が移動するには十分といえます。FTでは、その卵子の通り道である卵管の中にバルーンという管を入れ、卵管の通りを改善していきます。
では、FTで卵管の中に入るバルーンの太さはどれぐらいなのでしょうか。
バルーンは外径1.25mmです。「卵管とほぼ同じ」~「やや太い程度」のバルーンを卵管内に進めていきバルーンに圧をかけながら、卵管を物理的に広げていきます。
卵管鏡で見た卵管内部
結局、FTは痛いのでしょうか?
造影剤のような液体とは違い、FTでは、柔らかいバルーンとはいえ、卵管をグーっと押し広げるように進んでいく訳ですから、痛くないはずはありません。
FTの痛みは我慢するしかないのでしょうか?
そんなことは決してありません。その痛みを抑えるために、FTの際には麻酔を使います。
どのような麻酔をするのでしょうか?
局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔など、施設により、どの麻酔を選択するかは様々ですが、一般的には、局所麻酔あるいは静脈麻酔を行う施設がほとんどかと思われます。局所麻酔では、膣の壁に痛みを抑える薬を注射します。静脈麻酔では、静脈内に痛みを抑える薬と、眠気を誘発する薬を入れていきます。
1.麻酔(イラスト)

FTでは、このように麻酔を行うことで痛みを抑えながら、卵管の通りを改善していきます。
子宮卵管造影検査では、このような麻酔を使うことはありませんので、痛みを我慢しながらの検査になりますが、FTでは麻酔を使うため、子宮卵管造影検査よりも痛みを抑えることができるのです。

それでは、全く痛みはないのでしょうか?
静脈麻酔では、完全に眠った状態になり、目が覚めた時にはFTは終了してベッドの上だったという方。なんとなくぼんやりとした意識の状態で、声や器具の音は聞こえるけれども痛みは感じないという方。器具を入れるときの違和感程度の方。生理痛の軽い痛み程度を感じる方。局所麻酔では、意識はありますが、全く痛みを感じない方から、軽い痛み程度の方など、薬の効き方には個人差がるので感じ方は様ざまですが、痛みでFTが途中で出来なくなるような方はほとんどいらっしゃいません。
『FTを選択するのはいいけど、やはり痛みは気になる…』とためらっている方
このようにFTでは麻酔を行うことにより、痛みを抑えることができます。痛みが不安でFTを受けることをためらう必要はありません。卵管の通りを改善し、自然妊娠につなげることができるFTは、やはり大変有効な治療といえます。痛みでFTという有用な選択肢を除外する必要はないのです。

園田桃代ARTクリニック院長
園田桃代 先生

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